■大学進学お悩みなんでも相談室
受験期を迎える子どもがいる場合、悩ましいことの一つが部活です。部活に思い切り打ち込んでほしいと思う一方で、勉強時間の確保が気になります。プロ家庭教師として多くの中高生の指導にかかわる長谷川智也さんに聞きました。(写真=Getty Images)
【質問】
部活三昧で、成績が落ちています。部活を引退した後でも、巻き返しは可能でしょうか。(高校2年生の父より)
【回答】
質問には「部活三昧で成績が落ちている」とありますが、本当に部活が原因でしょうか。スポーツ特待生や全国大会の常連校といった特別なケースでない限り、定期テスト前は部活は休みになり、勉強に専念できるはず。また学校の成績にはテストの結果だけでなく、日々の授業態度や宿題の取り組み状況、小テストの結果なども反映されているので、なぜ学校の成績が落ちたのかを見極めることが必要です。
もし、日々の授業に100パーセントの力で取り組むことができていないなら、引退後にいくら追い込んだとしても受験には間に合わないでしょう。きちんとノートを取り、宿題もサボらず、小テストの点数を稼ぐ。この基本ができていない可能性があるからです。過去に私が指導した難関大学合格者の中に、早めに部活をやめて勉強に専念したから成績が伸びた、という生徒はほとんどいませんでした。
そのうえで「引退した後からでも巻き返しは可能か」との質問には、「不可能ではない」と答えます。もし高校2年のときに成績が落ちたなら、それは数学Ⅱなのか数学Bなのか、数学Bならベクトルなのか確率なのか……など細かく分析することで、その後の対策が見えてきます。このような分析と対策は、部活を引退した後でもできます。
勉強に「没入」できている時間が大事
引退した後は、授業や家庭学習でどれだけ勉強に没入できているかどうかが重要です。難関大学合格者へのインタビューやアンケートでは、1日の勉強時間を「3時間くらい」と答える生徒が多くいます。これは、1日3時間しか勉強していないわけではなくて、「勉強に没入できている時間が3時間」という意味です。
勉強の障害になるのは、実は「勉強しなければ」というプレッシャーやストレスです。従って、勉強前に好きなことをしてストレスを吹き飛ばすことで、「没入」のきっかけを作ることをおすすめします。好きな音楽をかけたり、軽くランニングをしたり、「○時から勉強を始める」と決めてそれまではゆったり過ごしたりするなど、自分に合った没入方法を探してみましょう。
夏休みは「受験の天王山」と言われます。夏休み前に、共通テストや二次試験に必要な科目を絞りこんでおくことも重要です。追い込みの時期となる秋、冬に焦らなくていいよう、早めに準備しておきたいものです。
【回答者】
長谷川智也(はせがわ・ともや)/プロ家庭教師。1980年兵庫県明石市出身。東京大学卒業後、大手塾に勤務し人気講師となる。2009年に独立してフリーランスの「プロ家庭教師」に。独自のプログラム「究極の受験セカンドオピニオン・スーパーコンサル」は年間200件を超える申し込みが集まる。著書に『予約殺到の東大卒スーパー家庭教師が教える 自考モードにする 中高6年間の過ごし方』(講談社)など。
(文=小金丸 美菜子)
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