【大学進学お悩みなんでも相談】英語が大の苦手… 多国籍宇宙開発ベンチャーCEOからの意外な助言

2023/03/15

今、多くのスタートアップ企業が登場し、産業が拡大しつつある宇宙ビジネス。国境を越えたグローバルなビジネスだけに、さまざまな国のメンバーが集まって仕事をすることも少なくないようです。英語への苦手意識がぬぐえない高校生へ、ispace CEO・袴田武史さんからの自身の体験を踏まえたアドバイスとは?(写真=朝日新聞社)

【質問】
数学や化学など理系の科目は好きですが、英語は大の苦手。入試が終わっても、また大学で英語を勉強すると思うと、今から憂鬱(ゆううつ)です。留学や海外での就職に興味がなくても、英語を学ぶ必要はあるのでしょうか?(高3男子)

【回答】
人生に英語が必要になるかどうかは、生活環境や仕事の内容、価値観などにより決まります。大学卒業後のキャリア選択によっては、英語力が不要な場合もありますから、本当に英語が苦手で、これ以上勉強したくないのであれば、ひとまず入試だけは乗り切って、あとはできる限り英語を使わずにすむ道を選ぶのも、一つの方法です。

とはいえ、その考えは大学進学後に変わる可能性もあります。私は大学で長年の希望だった航空宇宙工学を専攻したものの、自分の求める研究分野に出会えず、大学3年生のときに米国の大学院に行くことを決意しました。中学時代にはテストでクラス最低点を取ったほど英語が苦手な自分が、まさか留学するとは想像すらしませんでしたが、夢をかなえるためには米国に行くしかないと考えたのです。あなたも将来、科学技術の最先端に触れるために海外へ行きたいと思う日が、来るかもしれません。その場合は、確実に英語が必要になります。

今は英語が苦手でも、大学入学後から本格的に勉強を始めれば、留学や就職にも十分に間に合うはずです。私の英語力が一番伸びたのは、留学時代。大学院に留学する場合、ほとんどの学生は留学先の授業開始前に英語の研修を受けるのですが、私は日本を出る直前までインターンシップをしていたので、語学研修を受講しませんでした。日本でもTOEFLの勉強はしていたものの、会話の練習はほとんどしていなかったので、授業や課題には大変苦労しましたし、担当の教授から「君はまず英語を勉強しなさい」とも言われました。

その後、授業やディスカッション、論文作成などによって徐々に英語力が身につき、修了時のプレゼンテーションでは、その教授からも「だいぶ英語がうまくなったな」とほめられました。私が代表を務めるispaceにも、英語での業務経験がないまま入社し、仕事を通じて英語力を身につけるスタッフがたくさんいます。英語を習得するには「英語を使わざるを得ない環境」に入るのが一番、というのが私の実感です。

宇宙に関する研究は米国が中心ということもあり、今は仕事で毎日、英語を使いますし、NASAの高官とやりとりをすることもあります。世界の最先端を知るため、そして時代のエッジに立つためには、やはり英語は必要です。受験勉強の英語には興味を持てなくても、研究や仕事など自分のしたいことを実現するために必要となれば、あなたの学習意欲も上がると思います。

【回答者】
袴田武史(はかまだ・たけし)/株式会社ispace代表取締役CEO&Founder(ファウンダー)。人類が宇宙で生活圏を築き、持続可能な世界を構築するため、宇宙ロボット技術を活用した民間宇宙事業を推進中。2010年から史上初の民間月面探査レースGoogle Lunar XPRIZEに参加する日本チーム「HAKUTO」を率い、現在は民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」を主導している。

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地域社会学科2年の江崎慧さん(左)と田開寛太郎准教授(右)
地域社会学科2年の江崎慧さん(左)と田開寛太郎准教授(右)
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