【大学進学お悩みなんでも相談】宇宙関係の仕事に憧れ… 宇宙開発ベンチャーCEOのアドバイス

2023/03/15

13年ぶりにJAXA(宇宙航空研究開発機構)が宇宙飛行士を募集した影響もあってか、将来、宇宙に関する仕事をしてみたいと思う中高生も少なくないようです。宇宙関連ベンチャーの代表格ともいえるispace のCEO・袴田武史さんからのアドバイスは?(写真=朝日新聞社)

【質問】
宇宙関係の仕事に興味があります。どんな学部・学科で学ぶのがおすすめですか? また今から勉強しておいたほうがいいことはありますか?(高1女子)

【回答】
一般的に宇宙での仕事に直結する学問というと、やはり宇宙工学や宇宙物理学、天文学でしょうか。そういった学科に入り、研究に携わるためには、高校時代から数学、物理、地学などの理系科目は、しっかり学習しておいたほうがいいですね。私は工学部の機械・航空工学科で学んだあと、アメリカの大学院で航空宇宙工学の修士号を取得し、今に至ります。

ただし今後、宇宙に関する仕事の範囲が広がれば、そういった宇宙開発の中心的な学問だけでなく、その周りの領域の学問も宇宙とつながる可能性が出てきます。宇宙に人が住む時代が来れば、地球で人々の生活を支えている学問、例えば医学、心理学、ロボット工学、芸術系など、さまざまな学問が、宇宙での人々の生活も支えるようになるわけです。

そういった意味では、どのような学部へ進み、何を学んだとしても、その道の専門家となれば、宇宙関係の仕事と結びつくチャンスは必ずあると思っています。大切なのは、自分が能力を発揮できる分野を見定めて、それを継続することです。

私自身、最初の大学受験では第一志望に合格できず、いったんは別の大学の理工学部へ進学しました。しかし、本当にやりたいことはなんだったのかを自問自答した結果、再度、受験をして名古屋大学へ入学したという経緯があります。もしどこかで宇宙への思いをなくしていたら、宇宙との出会いは決して訪れなかったでしょう。宇宙に対する夢を持ち続け、自分が力を出せる分野を探していくこと。それが将来につながっていくのだろうと思います。

理系科目以外の勉強面でいえば、英語が重要になるでしょう。宇宙関係の仕事は、国境を越えてさまざまな国や地域の人たちと一緒に仕事をすることが多いものです。私たちの会社でもスタッフの半数は外国人なので、採用では英語が話せることや異文化への理解があることを重視しています。

私たちは月にフォーカスした事業を行っていますが、今の高校生が大学や大学院を卒業する2030年前後には、月面探査や技術開発が一段落するので、月の資源活用の道筋が見え始め、インフラを整えていくような段階に入っているでしょう。宇宙産業がどんどん広がっていく、とても面白い時代がやってきます。ぜひあなたが活躍できる場を見つけてください。

民間月探査プログラム「HAKUTO-R」は現在進行中。2022年12月に打ち上げに成功、23年4月には月に降り立つ予定です(写真提供=ispace)

【回答者】
袴田武史(はかまだ・たけし)/株式会社ispace代表取締役CEO&Founder(ファウンダー)。人類が宇宙で生活圏を築き、持続可能な世界を構築するため、宇宙ロボット技術を活用した民間宇宙事業を推進中。2010年から史上初の民間月面探査レースGoogle Lunar XPRIZEに参加する日本チーム「HAKUTO」を率い、現在は民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」を主導している。

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