1990年代から実施されるようになった総合型選抜(旧AO入試)。もともと欧米では主流の受験方法であり、今後、日本でもさらに増えていくことが予想されています。出願条件や試験内容、スケジュールなどについて解説します。※写真はイメージです(写真=Getty Images)
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各大学では、入学者に求める人物像をまとめた「アドミッション・ポリシー」を策定し、大学のホームページやパンフレットなどで公開しています。総合型選抜は、このアドミッション・ポリシーと合致した学生を選抜するための入試方法です。もともとはAO(アドミッションズ・オフィス)入試と呼ばれ、1990年度入試に慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)が日本で初めて実施しました。以降、導入する大学が増加し、2000年度入試には東北大学、筑波大学、九州大学が国立大学で初めてAO入試を導入しました。2021年度入試から「総合型選抜」に名称が変わり、2022年度入試では国立大の78%、私立大の91%が実施しています。
総合型選抜が増加してきたのには、どのような背景があるのでしょうか。大学通信 情報調査・編集部部長の井沢秀さんはこう話します。
「学力だけではわからない高校生活における努力や学習意欲を大学側が高く評価しようとする傾向にあるほか、大学が学内の活性化のために多様なバックグラウンドを持つ学生を求めているということも背景にあると思います」
試験内容は多種多様 共通テストが課されることも
出願条件や試験内容、評価基準については、アドミッション・ポリシーに基づいて各大学・学部で決められています。学校推薦型選抜とは異なり、学校長の推薦書は必要ありません。また、評定平均(高1から高3の1学期までの成績の平均)は重視されないことが多いですが、一部の大学では出願の条件として基準が設定されていることもあります。
総合型選抜の基本は、詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接です。代表的な流れとしては、一次選考で志望理由書や活動報告書などの書類審査、二次選考で面接や小論文となります。これらの試験に加えて、共通テストや学力試験を課している大学もあります。特に国公立大では、多くの大学で共通テストが課されているほか、実験や講義のレポート提出など、試験内容は多種多様です。
総合型選抜では志望理由が明確であることや、大学が求める人物像に近いかどうかといったことが主に問われますが、学力が重視されないわけではありません。文部科学省は総合型選抜について、大学教育を受けるために必要な学力を適切に評価するため、共通テストや学力試験、口頭試問、資格・検定試験の成績、小論文などで学力を把握するように通知しています。つまり、総合型選抜でも、基礎的な学力は求められるのです。
小論文は、与えられた課題について分析し、自分の意見を述べる「課題論述型」、文章から筆者の意見を読み取り、それに対する自分の意見を述べる「文章読解型」、提示された表やグラフから情報を読み取る「資料分析型」などに分けられます。面接は個人形式とグループ形式のほか、グループディスカッション、口頭試問、プレゼンテーションなど、大学や学部によってさまざまな形式で実施されます。
一般選抜との垣根がなくなりつつある
共通テストが導入された2021年度からの大学入試改革では、学力を構成する三つの要素(「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「主体性を持ち多様な人々と協働し、学習する態度」)を多面的、総合的に評価する方針を文部科学省が打ち出しています。この影響について、早稲田塾執行役員の中川敏和さんはこう話します。
「かつては一般選抜と学校推薦型選抜、総合型選抜は別物で、対策もそれぞれ必要でしたが、大学入試改革を機に垣根がなくなってきています。大学で何を学びたいのかという目標が定まれば、さまざまな受験方法にチャレンジすることで、合格のチャンスを増やすことができるはずです」
総合型選抜の出願は、学校推薦型選抜よりも2カ月早く、9月1日からスタートします。選考期間を経て合格が発表されるのは11月1日以降。共通テストが課されていなければ多くは11月中、遅くても12月には合否が決まります。ただし、不合格だった場合は、一般選抜を受ける可能性が出てきます。一般選抜と並行して準備を進めるのが理想でしょう。
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